___あの日も僕は、こんな道を歩いていたんだ。
脳波記録装置。
それは選ばれた100人全員が死ぬ直前までつけていた記憶を記録するための装置だ。
開発チームは遺族にスーパーコンピューターに送られていた記憶のファイルを組み込んだハードディスクを配布した。
それと同時に、彼らにあるロボットを渡したのだ。
その人型のロボットは、最新式のアンドロイド。
記憶というプログラムによって、その個人の記憶をもち思考、行動できるというほとんど人間の生き返りに近い奇跡のロボットだった。
これについてはつい数週間前物議をかもしていた。
これがあれば現代の天才ならばいくらでもその頭脳をコピーできるという楽観主義者。
人間の生き返りという奇跡に狂喜乱舞する病人やその家族。
一方で神の教えに反すると批判する神論者。
なにかの間違いかも知れないという懐疑論者。
様々な議論が飛び交うなか、製作コストのため商品化の目処の立たないそれの名前は英語で「蘇生」を意味するrevivalからリバイアンと呼ばれた。
翔の家族はすぐにショウを起動させた。
そしてショウは言ったのだ。
「アヤネノソバニイサセテ」
と。


