青空の下で

とりあえず熱を計ろうと心優の腋に体温計を滑り込ませた。



ピピピッピピピッ

心優 「ん、、、」


体温計の音で起こしてしまったようだ。


葵「あ、ごめんね、起こしちゃったね」

そう言いながら体温計を抜き取る。


葵 「38.6°C…熱出ちゃったね、、、」


心優は熱のせいもあってか、ぼーっとしている。


葵 「心優、大丈夫?しんどいよね」


心優 「んー、葵先生、ぎゅー」


そう言い、手を伸ばしてくる。


葵 「ん、ぎゅーね」


葵は心優を抱き上げ抱きしめる。


心優 「葵先生の心臓の音聞こえる。」


葵の胸に耳をあててそういう心優。


葵 「心優の心臓の音も聞こえる。」


心優 「葵先生の音聞くと、心優、すごい落ち着くの。

だから好きなんだ、ぎゅーするの」


葵 「そっか。じゃあ、いつでもぎゅーしてあげるね」


そんな会話をしながら、


葵は心優の呼吸音を聞く。


しばらくそのまま心優を抱きしめていた。


さすが38度も熱があるだけある。

心優から伝わる体温がすごく熱い。


呼吸音もゼーゼーとはっきりと聞こえる。


葵 「心優?呼吸苦しくない?」


心優 「んぅ、少し苦しい。けど、大丈夫」



葵 「ちょっとさ、吸入しに、診察室行こ?」


心優 「やぁ、いかない」


葵 「でも、発作起こすとしんどいでしょう?
ちょっとだけ頑張らない?」


心優 「知ってる?あれ、苦しんだよ?

発作も苦しいけど、吸入も苦しいの。

だからやらない」


なんて言う心優。


葵 「んふっ、知ってるよ、喘息の患者さんみんな苦しそうにしながらも頑張ってるもん。

みんな頑張ってるから心優も頑張れるよね?

頑張ったらご褒美あげる」


心優 「ご褒美?!」


葵 「うん、ご褒美」


心優 「ほんと?!」


葵 「うん、ほんと。

だからちょっと頑張ろう?」



心優 「………うん……」


葵 「ははっ。

よし、じゃあ行くよ」


そう言って抱いたままの心優を診察室まで連れて行く。