ピースコッ、、、ピースコッ


呼吸器の音と喉の異物感で目を覚ました。


葵 「心優!わかる?」


心優はコクンと頷く。

心優の目からは涙が溢れる。


葵 「よかった、目覚ましてくれてよかった」


頭を撫でながらそう呟く。


心優は葵に手を伸ばし、起き上がろうとする。



葵 「あ、ダメだよ!呼吸器外してからね!」


そう言い脈を測り、聴診を済ませた。


葵 「うん、大丈夫そうだね!今から呼吸器外すんだけど、苦しくても自分で呼吸するんだよ?」


コクンと頷く心優に笑顔をみせる葵。



葵は心優の呼吸器をとった。


心優 「ゲホゲホゲホゲホッ」


葵 「苦しいね、ゆっくり深呼吸だよ?」


心優はゆっくりと深呼吸をしてくれた。



葵 「落ち着いたね。よし、抱っこ」


そう言い心優を抱き上げ膝の上に乗せる。


心優は力いっぱい葵に抱きつく。


葵 「心優?もう大丈夫だよ

怖かったね

ごめんね、すぐに助けにいけなくて」


心優の頭を撫でながら言う葵に


心優 「怖かった、また思い出して、周りに集まってきた人たちにも殺されるんじゃないかと思って怖くて怖くて体が動かなかった。」


涙を流しながらそういう心優。


葵 「うん」


心優 「でもね、葵先生来てくれた時心優嬉しかったの」


葵 「うん」


心優 「だからね、そんなに悲しい顔しないで?」


葵 「え?」


心優 「泣きそうな顔しないで?」


葵 「うん」



葵 「心優?こっち向いて?」


心優 「ん?」


葵を見上げた心優に優しいキスを落とす。



そして、強く、強く、抱きしめた。