葵 「そろそろ戻ろうか、心優ちゃん。」


心優 「え、、、」

悲しそうな表情になった心優。


葵 「そんな悲しそうな顔しないで!

また連れてきてあげるから。ね?」


心優は左右に首を振る。


葵 「久しぶりだから、疲れちゃうでしょ?

午後に熱出るとしんどいから、

今は一旦病室戻ろ?
午後も調子良さそうだったら今度は屋上の庭園から夕日見ようよ」


そう言うと

心優 「うん」

納得してくれた。





葵 「よし、じゃあベッドに移ろうね。」


そう言い、ベッドに移した。


ちょうどそこに亮が来た。


亮 「心優ちゃん、今日は抜糸させて欲しいんだ。痛くないからちょっと頑張ろうね。」


そう優しく言うが、抜糸なんてしたことのない心優はイヤイヤと首をふる。


葵 「心優ちゃん、大丈夫だよ。ちょっと皮膚が引っ張られる感じすると思うけど、痛みはないし、すぐに終わるからね。
ちょっと服脱ぐよー」


そう言い心優の服に手をかける。
すでに涙でいっぱいの心優の目。


さっきまであんなにいい顔してたもんだから、
葵も亮も胸が痛む。



ささっと服を脱がし、亮が始める。


葵は心優の手をしっかり握って安心させようとする。


さすがは亮、すぐに抜糸が終わった。


亮 「頑張ったね、心優ちゃん。痛くなかったでしょ?傷もね跡残らず綺麗になってるからね。」


そう言って頭を撫でる。


葵 「ずっと寝たきりだったから筋肉落ちてるからちょっとずつ歩く練習しようね。」


そう言い心優の目に溜まった涙を拭う。