ガラガラッ

葵 「りっくん、大丈夫?ゆっくり深呼吸だよー。」


ー数分もすれば治まり、スヤスヤと寝息を立て始めたりっくんに布団をかける。


亮 「ごめんな、心優ちゃんのとこいたのに呼び出して。」



葵 「全然大丈夫!」


亮 「心優ちゃん、落ち着いた?」


葵 「それが、ずっと涙流すだけで、何話しかけても反応してくれないの。どうしよ、ほんと。」


珍しく葵が頭を抱えている。


亮 「やっぱ心優ちゃん、精神科連れて行ったら?」


葵 「それだけは避けたい。どうしても。

せっかく今まで心開いてくれてたのに、今回ので精神科に連れて行ったら、

もう心開いてくれなくなるかもしれない。


そしたら、喘息の治療もできなくなる。


5年かけて少しずつ心優ちゃんが心開いてくれて、喘息の治療もできるようになってたのに、

全部水の泡になるかもしれない。


そしたら、心優ちゃん苦しませることになる。」

そういう葵は、自分のことかのように悲しそうな表情を浮かべる。



亮 「そうだよな。今まで築いた絆だもんな。」


葵 「また時間かけながら、とりあえず、診察できるくらいになってもらいたい。」


亮 「そうだな。診察できないと意味ないもんな。」