青空の下で

心優 「…んぅ…」


睡眠薬の量を少なめにしていたからか、案外すぐに目を覚ました心優。



葵 「心優ちゃん、目が覚めたね。痛いところとかないかなぁ?」



優しく心優に話しかける。



心優 「ふぇっ、ヒック、グスッ」


涙を流す心優と涙を拭う葵。



葵 「さっきはびっくりしたよね。

怖かったよね。

でももう安心して?

葵先生いるでしょ?

もう大丈夫だからね。」


幼い子に言い聞かせるように声をかける。



が、心優はただ泣くだけ。


葵が何を話しかけても声を出さない。



その異変に気づいたのは葵だけでなく、亮も中島も気づいたようだ。



亮 「心優ちゃん、ちょっと熱出ちゃってるけど、頭痛いとかないかなぁ?」


今度は亮が話しかける。


すると今度は心優の体がビクッとなり、小刻みに震え始めた。


亮と中島は今はここにいない方がいいと思い、そのまま静かに病室を出た。