青空の下で

亮 「葵、そういえば、今日はまだ消毒できてないんだよな?嫌がったって聞いたんだけど。」


葵 「うん。朝、しようと思ったんだけどね、痛いからしたくないって言われちゃった。」



亮 「睡眠薬使ってる間にやる方がいいと思うから消毒液持ってくるわ。ここの消毒も必要だしね。」

といい心優の首を指差す。


苦しさを紛らわすために心優が自分で爪を立ててしまった首。
そこからは血が滲んでいるのが分かる。

亮 「ついでに取れちゃった点滴とカテーテルも取ってくる。」


葵 「悪い。ありがとう。」



その間に腕の止血をした葵は、聴診器を暖め、そっと心優の胸に当てる。


雑音がとにかく激しく、呼吸が苦しそうだ。


中島は心優の腋に体温計を入れる。




ピピピッピピピッ

中島 「37.6℃です。」


葵 「上がりそうだな。今日は。」


中島 「そうですね。」


亮が消毒液やらなんやらを持って戻ってきた。


亮 「まずはここからかな。」


といい心優の首を消毒し始める。


亮 「こんなになるまで爪たてるなんてな。」


悲しそうにそういう亮に葵も中島も頷く。



亮 「とりあえず、上の服脱がせてもいい?」



葵 「ああ。

ごめんな、心優ちゃん。ちょっと服脱がせるよ。」


寝ているとはいえ、黙って服を脱がせるのもどうかと思い声をかけながら服を脱がせていく。


「「「あっ」」」


3人の声が揃いある一点に目がいく。


脇腹のガーゼが真っ赤に染まっている。


亮 「これ、パックリいってるかも。」


そういいガーゼを丁寧に剥がす。


亮の言う通りガーゼを剥がすとパックリと開いた傷口から出血していた。



亮は丁寧に消毒をし、縫合をし直す。


上半身の消毒を終え、次はズボンを脱がせ、消毒していく。


亮 「よしっ。終わりっ。痛み止めの点滴も入れとくかな。」

と言いながら心優の腕を掴み入りそうな血管をか探す。



葵 「ありがと」



そして葵は心優の両足の拘束バンドを取り、足を曲げた状態で固定し、カテーテルを挿入した。


服を着せ、心優が目を覚ますのを待つ。



心優が目を覚ました時に拘束バンドをしていると嫌がると思い、葵はバンドを外してあげる。