外来をしている時は、心優の様子を見に行けないので、看護師にちょくちょく様子を見るように頼んでおいた。



コンコンッ

「心優ちゃん、入るね?」


ガラガラッ



寝ていると思うと葵に言われていた看護師は扉を開けて一瞬驚いた。



心優 「どうしよっどうしよっ、んー、どうしよっどうしよっ」


心優が頭を抱えながらそう繰り返していた。



看 「心優ちゃん、一回落ち着こうか。」



看護師が心優に近づくが、



心優 「んぅー、やっ」


とだけ言い、またどうしようを繰り返していた。



コンコンッガラガラッ


葵「心優ちゃん、起きた?」


と言いながら入ってきたのは葵。
心優の様子に少し驚いていた。



看 「あ、葵先生、もう外来は終わりですか?」


葵 「いや、予約で入ってた斎藤さんがまだ来ないからその間にちょっと様子見に来た。
心優ちゃん、どうした?」



心優 「んー、どうしよっどうしよっはぁはぁ」



看 「そうなんですね。心優ちゃん、さっきからずっとこんな感じなんですよ。」



葵 「心優ちゃん?ちょっと落ち着いてごらん?どうしたの?葵先生に教えて?」



頭を抱えるようにベッドに座っていた心優をひょいっと抱き抱え、葵がベッドに腰をかけ、心優をまたがるように座らさせた。



心優 「レイたちのお世話昨日からできてないっ!葵先生、お家帰らせて?」


目にいっぱい涙を溜めて上目遣いでそういう心優。


葵 「心優ちゃん今は帰れないよ。」


心優 「どうしてっ、、、レイたち寂しがってるだろうし、レイのお散歩出来てないし、レイ、トイレ我慢してるかもだし、レイたちお腹空いて死んじゃうかもだし、んぅ、どうしよっはぁはぁはぁはぁ」



レイというのは心優の愛犬、他にも3匹猫を飼っている心優。最近、ハリネズミとフェレットまでも飼い始めたという。


ひとり暮らしなのによくこんなにも動物の世話ができるなと思う。



ある意味大家族だ。