中里 「心優ちゃん、ちょっとベッド起こすね。楽にしてたらいいからね。」


中里が優しく声をかけながらリモコン操作でベッドを少し起こした。



その間に葵はポケットから聴診器を取り出し、温める。


中里 「心優ちゃん、前開けるね。ちょっとごめんね。」


心優は小さく頷く。



葵 「心優ちゃん、深呼吸しててね。」


手で温めた聴診器を心優の胸に当てる。


場所を変えるたびにびくっと反応する心優。

葵はどこか一点を見つめ、真剣に胸の音を聴く。


葵「よし、心優ちゃん頑張ったね。まだ喘鳴消えてないんだけど、今は苦しくないかな?」


心優「うん、苦しくないよ。だからもうとっていいよね?」


なんてて言いながら酸素マスクをすでにとっている心優に思わず笑みが溢れた葵と中里。


葵「んふっ、いいよ。もうとってるけどね」

葵は笑いながら心優の頭に手を乗せた。


葵 「心優ちゃんじゃあ次はあーんして?
喉見せてね。」


右手に舌圧子を持ち、左手にペンライトを持つ葵が心優に口を開けるように言う。


心優 「ん、あーん」


嫌がることなく口を開けてくれた心優の喉を葵は診た。



葵 「喉は大丈夫だね。」


葵 「心優ちゃん、熱ある?ちょっと体温計ろっか。」



心優の腋に体温計をはさみ、腕を抑える。