青空の下で

葵 「疲れたね。ちょっと寝る?」


心優 「寝な、い」


葵 「寝ないか。

亮ありがとな。」


亮 「全然。んじゃあ、俺先に医局戻っとくな。」


そう言って病室を出た。



そこに看護師さんがご飯を持ってきてくれた。


看 「心優ちゃんのご飯ここに置いておきますね。」


そう言ってベッドについている机においてくれた。


見た目は美味しそうとは言えないもので。


食欲もあるわけではない。



葵 「心優、ずっと口から食べ物食べてなかったから少しずつでいいからね。」


そう言われるが、なかなかスプーンを持たない心優。


利き手を怪我してるから仕方がない。


葵 「流動食だからあんまり美味しくないかもだけど、頑張って食べよう?」


心優 「これ、嫌。食べられない。」


葵 「気分悪いの?」



そういうわけではないので黙って俯く。



葵 「好き嫌いで食べないのはダメだよ?

喉も痛いから飲み込みたくないんだろうけど。

一口だけ食べてみようよ。」


心優 「…ん。」


あまり食べたくなさそうな心優の口元に


流動食をスプーンにのせてもっていく。


葵 「はい、あーん」


心優は小さく口を開ける。


そこに少し入れるが、心優は飲み込まず、口を動かさず、涙目になっていく。



葵 「心優、ごっくんだよ」


そういうがどんどん涙目になって行く心優。



葵 「ほら、ごっくんして?」


ようやく飲み込んでくれた心優だが、


心優 「うぇっ、げほげほ」



流動食という得意ではない味と舌触り、


意を決して飲み込んだはいいものの


喉のあまりの違和感と痛さに耐えられず、


そのまま吐いてしまった。



葵 「おっと」


すぐに容器を口元に持ってきてくれた。


葵 「食べられないか。」


心優 「ごめ、な、さい」


葵 「大丈夫だよ。少しずつ食べられるようにしていこうね。」


コクンと頷いた心優の頭を撫でる。


心優 「み、ぎ手、のこれ、とり、たい」


そう言い三角巾を引っ張る。


葵 「心優、肩と肘の脱臼があるから、

これつけてるの。

これしてたほうが楽だしね。」


心優 「こ、れ、とる、ダメ?」


葵 「うん、つけてよう?」


納得したのかしてないのか、


心優はそのまま黙った。


葵 「今日はもう寝ようか。」


そう言って心優のお腹を優しく叩き、


眠りに誘う。