驚いて後ろを振り向くと、
あの時の男性がニヤッと笑っていた。
心優は怖くなり、その場にしゃがみこむ。
男 「久しぶりだね。
今日警察署から抜け出して来たんだー。
脱獄ってやつ?意外に楽ショー。ははっ。
こんなに早く君を見つけられるなんて
思ってもみなかった。はははっ」
心優は怖くて怖くて動けず
ただじっとうずくまっていた。
ヒョイっと抱き上げられそのまま車に乗せられた。
大きな黒い車。
中にはもう1人男性がいて
後部座席で手足をロープで縛られた。
怖くて声も出せない心優はただ涙だけを流す。
それ以降の事はあまりにも残酷だった。
刃物で体を傷つけられ
殴られ、蹴られ、体が全く動かなくなって、
意識がだんだんと遠のいてきた。
男たちはそのまま心優を捨てるように
人通りの悪い空き地に下された。
痛くて、怖くて、ただ涙を流すことしかできなくて、今にも意識が飛びそうなのを飛ばさないように頑張った。
それから何時間だったのだろうか。
雨が降ってきた。
ああ、このまま死ぬのかな。
そんなことを思い始めた。
それでも葵に会いたくて、ずっと葵の名前を呼んでいた。

