医局に戻り、数時間が経った。
心優について頭を悩ませる葵。
中島 「お疲れ様です。葵先生大丈夫ですか?」
葵 「ん、お疲れ。大丈夫だよ」
中島 「心優ちゃんの母親が来たって聞いたんですけど、心優ちゃんどうでした?」
葵 「心優がパニック起こしちゃった。」
中島 「そうなんですか。」
葵 「ちょっと気をつけて見てあげとかないと
何するかわからないや。」
中島 「僕も気にかけてますね」
葵 「うん、ありがと」
看護師 「葵先生!心優ちゃんパニック起こして自分の体傷つけてて…」
葵は看護師の話の途中で医局を飛び出し心優の元へ向かった。
ガラガラッ
葵 「心優!大丈夫だよ!
これ止めようね」
心優の手に握られていたボールペンをとる。
今回はそこまで酷い傷にはなっていない。
過呼吸になっている心優の背中をさすりながら
声をかける。
次第によくなってくる呼吸。
葵 「呼吸落ち着いてきたね。
消毒するからね」
優しく優しく声をかけ消毒液を手にする。
嫌がって抵抗するかなと思っていたが
首を横に降ってはいるが
そこまでの抵抗はしてこなかった。
目に涙をいっぱいにして、
下唇をきゅっとかみ
涙をこぼさないようにしている心優。
葵は心優を抱き上げる。
葵 「心優?俺の目見て?」
そう言って目を見させる。
葵 「大丈夫だよ?
泣いていいよ、心優。
いっぱい泣いて、ここに溜まったものはきだそう?」
そう言うと子供のように
大きな声をあげて泣き始めた。
葵は心優の背中をさすりながら
心優が泣き止むのを待つ。
まだ熱は下がってないようで、
心優から伝わる熱が熱い。
心優が次第にぐったりとしてきた。
まだ涙は止まっていないが、
大分落ち着いてきた。
葵はそのまま心優の背中をリズムよく叩く。
疲れ切った心優はすーすーと寝息をたてはじめた。
そのまま心優を寝かし、点滴を入れる。
体温を計るとまだ下がっていない熱。
聴診するが、呼吸も正常とは言えない音がしている。

