ガラガラッ


勢いよく扉を開けられ、


心優は驚いて起きた。


?「心優、帰るわよ」


心優はそっと声をする方を見た。


心優 「お、かあ、さん…

な、んで?」


母 「あんたがどんどん金使うから、これ以上勝手に金使わさないように連れて帰る。」


心優 「え、ん、、、と」



母 「早くここ出るわよ、いつまで寝てるの。

その仮病いい加減やめなさい。」


そう言いながら心優の点滴を抜き、


無理やり心優を引っ張る。


心優は怖くてただ従うだけ。


腕を引かれながら病室を出て出口に向かう。


ちょうどそこに葵が通りかかった。


葵 「あ、ちょっと!」


母 「なんですか?」


葵 「初めまして。心優ちゃんの主治医をしております、高橋葵と申します。」


母 「あー、先生?うちの子がお世話になりました。もう連れて帰りますので、失礼します。」


そう言いまた早足で歩き始める。


葵 「お母さん、勝手に連れ出されては困ります。心優ちゃんはまだ体調がよくないです。

いつ発作を起こしてもおかしくありません。

まだまだ退院許可を出すことはできないです。」


母 「はぁ、私はこの子の母親よ?

この子のことは一目見ればなんでもわかるの。

この子はもう大丈夫よ。

連れて帰ります。」


葵 「許可できません。心優ちゃんのことを思っているのならまだ休ませてあげてください。」


母 「大丈夫です。家で寝かせます。それにうちの長男が医者なので、ご心配なさらず」


葵 「心優ちゃんの主治医は僕です。

病院の方針上、主治医が許可を出さない限り

退院させることはできません。

心優ちゃんを病室に戻します。」


そう言って心優を姫抱きにし、


病室に戻る。


ついてくるかなと思ったが案外あっさり帰ったようだ。


病室に戻り、心優をベッドに寝かせようとする。


心優 「いやっ、やだっ」


葵 「分かった。落ち着くまで抱っこしてるね。」


心優 「ごめん、ね」


葵 「んー?なんで謝るの」



心優 「迷惑ばっかり。」


葵 「そんなことないでしょ?」


心優 「心優はみんなに迷惑しかかけられない。

心優は生まれてきちゃいけなかった。

心優は生きてたら迷惑。」


葵 「心優?そんなことない。

そんなこと言わないで?

心優は生まれてきてよかったんだよ?

生まれてきちゃいけない子なんてこの世には1人もいないの。

心優はこれからも生きてかなきゃいけない。」