青空の下で

それから毎日、少しずつ診察に慣れていけるよう、時には強引に、時には優しく診察を行った。



葵 「心優ー、診察の時間だよー」



この掛け声から始まる。



心優 「今日はやらないでいいよー」



葵 「んふっ、何言ってんのー」



こんな会話も毎日。



葵 「よし、頑張ろーね」



ポケットから聴診器を取り出す。



心優 「やりたくない」



葵 「やりたくないね、、、


じゃあ、前みたいにここ持って自分で胸に当てて?

自分でだったら怖くないでしょ?」



そう言って心優に聴診器を渡し、


自分で胸に当ててもらい、


その音を葵が聞き取る。



心優はしぶしぶ自分の胸に聴診器を当てる。


葵 「よし、いーよ」



そう言いながら頭をなでてあげる。



心優はにこっと笑顔をみせる。



最近はこういうやり方で聴診するようになった。



葵 「よし、じゃあ外来行ってくるね。

終わったらまた来るから」



心優 「うん」





葵が外来に行ってから2時間が経った。



眠っている心優を吐き気が襲った。


突然の吐き気にやばいと思った心優は


急いでトイレに駆け込もうとベッドから降りた。



が、強烈な吐き気には勝てず


そのまま戻してしまった。



心優 「ヒッグはぁはぁはぁゲホゲホヒッグ」



ちょうどその時、亮が病室の前を通り過ぎようとしていた。


心優の泣き声を聞いた亮は



すぐに病室に入る。



病室に入り心優を見て驚いた。



ベッドから降りている心優は



肩で荒い呼吸をしながら


結構な量を戻していた。




亮 「心優ちゃん、しんどいね。


まだ戻しそう?」



その問いに力なく頷く心優。



そんな心優を抱き抱え、とりあえずベッドに移す。



容器を心優の口元に持って行ってあげると、



また戻し始めた。



亮は心優の背中をさすりながら、



心優のカルテを見る。



今日は朝熱はなかったようだが、


今は熱を感じる。



とりあえず、葵に連絡をする。



もちろん、外来の葵が出るかどうかは分からないが。



やはり、葵は出ない。



亮 「心優ちゃん、少しは落ち着いた?」



コクンと頷く心優は



ぐったりとしている。



亮 「よし、じゃあちょっと手洗いに行こうね」