葵はそのまま心優の背中をさする。



コンコンッガラガラッ

看 「心優ちゃん、夕ご飯の時間だよー」



看護師がご飯を持ってきてくれた。



葵 「よいしょっと、心優ご飯食べよう」



そう言って心優をベッドにおろす。


心優 「心優、食べられない…」



葵 「食欲ない?」



心優 「…ごめん…」



葵 「ゼリーだけでも食べられないかな?」


心優 「食べなかったら点滴でしょ?

なら食べる。」



葵 「無理して食べて吐いちゃうとしんどいから本当にダメそうなら止めといて?」



心優 「うん、でもちょっと食べてみる」


そう言ってにこっと微笑んでくれる。


葵 「ん、じゃあ食べてみようか。


はい、あーんして?」



ゼリーをスプーンにすくって心優の口元に持っていく。



パクっと食べた心優は嬉しそうな表情を浮かべた。


葵 「おいしい?」


心優 「うん!」


葵 「食べられそう?」


心優 「大丈夫そう!」



ゼリーを半分くらい食べたところで


心優 「もう、お腹いっぱい」



といった心優。



葵 「ん、よく食べたね」


そう言って食器を下げた。



葵 「気持ち悪いとかない?大丈夫?」


心優 「大丈夫」



葵 「じゃあちょっと診察頑張ろう?」



心優 「嫌っ!」


葵 「頑張ろう?すぐ終わらせるから」



心優 「ふぇっヒック」



葵 「泣かない泣かない。もともと嫌いな診察があの件でもっと嫌になったのは知ってるよ?

でもね?心優はそれ、乗り越えなきゃいけない。

心優が診察させてくれなかったら、

いつまでも退院できないでしょ?」



心優 「グスッやだヒッグ」



葵 「頑張って、少しずつ慣れていこう?」