ちょうどそこにオペ後の患者さんの様子を見に亮が来た。
心優が目を覚ましていることが分かり
安心した様子の亮。
葵は心優の背中をトントンと叩く。
まだ熱があるのか、心優から伝わる体温が熱い。
だんだんと落ち着き、泣き止んだ心優。
葵 「心優、ちょっと体温計ろう。」
そう言いながら体温計を心優に渡す。
心優 「やあ!」
抱きついた手を離そうとせず葵の胸に顔を埋めている心優。
葵 「いつものお部屋に早く戻りたいでしょ?」
心優 「…う、ん…」
葵 「んふっ、だから診察しないと戻れないの」
心優「ん…」
返事をした心優だけど、
すでに目からは涙がこぼれ、体は震えている。
葵 「聴診からしよっか。
大丈夫、俺だから。何もしないでしょ?」
そう言いながら心優をベッドに座らせて
目線を合わせ微笑む。
ポケットから聴診器を取り出し心優の服を捲ろうとした。
心優 「いやっ!」
パチンと葵の手を叩いてしまった心優。
葵 「大丈夫。大丈夫。」
そう言いながらまた服の中に手を入れようとする。
心優 「んー!いやっ!はぁはぁ」
亮 「大丈夫…?」
心優が興奮状態になったとこに亮が顔を覗かせた。
葵 「大丈夫じゃなさそう…かな…」
亮 「手伝うよ。
心優ちゃんー、大丈夫だから1回落ち着こう」
亮も声をかけるが
1度怖いという感情を抱いてしまうと
なかなか落ち着くことができなくなる心優。
葵 「心優?今はもうやらないから、落ち着こう?」
そう言い、心優を抱き上げ、落ち着かせようとする。
葵 「嫌だったね、ごめんね、ちょっと様子みよっか。」
心優 「グスッヒッグッビッグ」
それから葵は心優が落ち着くまで背中をさすったり、トントンとリズムよく叩いたりした。
亮は外来があるといって出て行った。

