それから院長がこの件について処分してくれた。
心優には担当看護師を固定して他の人は接触がないように医局長が対応してくれた。
しかし、1日たっても心優は目を覚ますことはなかった。
熱が高い状態も続き、発作も続いている。
今はICUで容態が安定するまでは集中管理することになった。
意識が戻らないまま発作がでるから
呼吸器をつけている。
葵は外来と回診以外はずっと心優の手を握り、
目を覚ますのを待つ。
次の日になり心優の手に少し力が入ったのが分かった。
葵 「心優?分かる?」
心優がゆっくりと目を開けた。
葵 「心優!よかった」
葵は心優の頭を撫でる。
心優の手が呼吸器にいく。
葵 「今とってあげるから、ちょっとまってね」
聴診器を手に取り呼吸の音を聞こうとするが、
聴診器を見た途端心優が暴れだした。
自ら呼吸器を抜き取ろうとしたり、
手足をばたつかせたり…
起き上がろうとしたり…
あまりの暴れように葵は安定剤を打つ。
葵 「心優、ちょっとチクっとするよー」
葵は安定剤で心優をすぐに眠らせた。
呼吸の状態をみて、呼吸器を外した。
しばらくするとまた目を覚ました様子の心優。
葵 「おはよう、心優。
喉痛くない?」
心優 「ん、喉いだい…」
葵 「やっぱり?
ちょっとあーんして?」
そういうが心優は口を開けようとしない。
葵 「舌圧子使わないから!ちょっとだけ」
そう言うとほんとに小さく口を開ける。
葵は手で少し広げ喉を見る。
さっきまで呼吸器を付けていたもんだから
喉が赤くなっている。
葵 「よし、いーよ。喉の違和感が明日になっても取れなかったらちゃんと教えてね?」
コクンと頷く心優は若干体が震えている。
葵 「心優、ぎゅーしよっか」
そう言って手を伸ばすと心優も葵に手を伸ばす。
葵は心優を抱き上げぎゅっとしてあげる。
心優の呼吸を感じつつ、心音を感じつつ、
心優に安心感を与える。
体が震えているのがわかる。
葵 「心優?詳しくね、話聞かせてもらえないかな?
何されたのか、何言われたのか、
俺に教えて?」
葵は心優の頭を優しく撫でながら話す。

