葵 「心優ー?」


心優の布団を剥がすと心優が抱きついてきた。


葵 「おっと!どうした?」



心優 「ヒッグッンッグズッ」


葵は心優を抱き上げトントンと背中をリズムよく叩き落ち着かせる。



プルルルッ


葵 「はい、あー、わかった!」


急変の連絡が入り、行かないといけない葵だが

今だ落ち着かず、ぐずぐずしている心優は葵に抱きついているまま。


コンコンッ

看 「葵先生ー?急変っての聞きましたー?」


心優のお世話をよくしてくれる看護師ではなく、初めてくる看護師で心優は不安を覚える。


葵 「あー、うん、今さっき連絡きた。」


看 「私ここにいますから、行ってください」


葵 「ありがと。


心優?少し落ち着いたかな?


ちょっと行かなきゃ行けなくなったから、

ごめんけど、ちょっとだけ待ってて?」



そう言い、心優をベッドに寝かせようとする。


心優 「いやっグスッ行かないで?ヒッグ」


葵が忙しいこともわかってるつもりで、


迷惑ばかりかけてちゃいけないって思ってるけど、


この看護師が怖くて今はどうしても葵に離れたくなかった。


看 「心優ちゃん一緒に待ってようね」


そう言いながら心優の腕を葵から剥がす。



葵 「すぐ戻ってくるから、待ってて?」



そう言って走って出て行ってしまった葵。


心優 「ヒッグ、グズッ」



看 「…はぁ、あんたさ、大学生でしょ?

子供みたいに何泣きわめいてんのさ。


葵先生が迷惑だってことぐらいわかるでしょ?


ほんと、何で葵先生がこんなんと付き合ってんのか分かんないわ。


点滴まで抜いて何がしたいの?!」



ズバズバと怒ってくる看護師が怖くて


心優は震える。


看 「なに震えてんの?


そうやって葵先生の前でぶりっ子してるんでしょ?いつもいつも。


葵先生が可哀想だわ」