青空の下で

心優 「ん。」


葵 「心優ちゃん、起きた?」

心優の顔を覗き込みながら聞く。


心優 「うん。葵先生、ずっと手繋いでくれてたんだ。ありがとう。」


葵を見つめながら微笑んだ心優を見て葵も微笑み返す。


葵「うん。心優ちゃん気分はどうかな?痛み止め入れてるけど、体はまだ痛む?」


心優 「ちょっと眩暈してるけど、大丈夫。体は動かさなかったら大丈夫みたい。」


葵「そっか。心優ちゃんちょっと診察してもいいかなぁ?」


心優 「どうしてもやらなきゃダメ?やりたくないな。」


葵 「んー。運ばれてきた時にね、喘息出てて結構大きい発作だったみたいだから、ちょっと音聴きたいんだ。心優ちゃんが苦しくなると辛いでしょ?どうしても今嫌だったらもう少し後にしてもいいんだけど、どうかなぁ?」


いつもなら少し強引に聴診を始める葵も、今回ばかりは無理にはできない。心優の心が1番大事だから。できるだけ、心優の負担にならないように気にかける。


心優 「…ぃぃょ。」

すごく小さかったけど、ちゃんと心優がいいと言ってくれて葵は思わず心優の頭を撫でた。


葵 「えらいね。心優ちゃん。じゃあちょっと服まくるね。聴診器入れるよ。深呼吸してね。」


聴診器が肌に触れた瞬間、ビクッとなった心優だったけど、聴診が終わるまで我慢してくれた。