ラグタイム2号店

その光景に、
「よかった…」

「和解ができたみたいだな」

翼と武人は呟いた後、ホッとした顔を浮かべた。

翼に至ってはこの光景が弱いのか、指で目頭を押さえていた。

おばあさんも泣きながら静絵を抱きしめていた。

家族の間で長いこと固まっていたわだかまりが解けて、俺はホッとしていた。

「朝貴」

大輔さんが俺の名前を呼んだので、
「はい」

俺は返事をした。

「本当のところを言うと、俺はお前を1発ぶん殴りたい」

そう言った大輔さんに、俺は目をそらした。

今思うと、彼には多大なる迷惑をかけてしまった。

大輔さんに殴られるのは当然のことだと、そう思った。