ラグタイム2号店

そんな2人の姿を俺は信用できなかった。

こんなのは形だけだ。

彼女たちは世間体を心配しているだけ。

静絵じゃなくて、俺にいろいろなことを非難されたからそう言っているだけ。

「静絵、こんなのは形だけだ!

彼らは世間体のことばかりしか考えていないから、簡単にできるんだ!」

俺がそう言ったら、
「朝貴、黄瀬さんは本当に申し訳ないと思って…」

「――朝貴さん!」

大輔さんをさえぎるように、静絵が俺の名前を呼んだ。

「朝貴さん、もういいの。

本当にもういいの、ね?」

なだめるように言った静絵に、
「ああ…」

俺は返事をした。

この場に落ち着いた空気が流れた時、
「――1つだけ、聞いていいか?」

大輔さんが俺たちに聞いてきた。