ラグタイム２号店

「真渕さんって言う、昨日俺たちと一緒にいた探偵の方から事情を聞きました。

俺たちの捜索を彼に頼んだのは、店のことが大切だったからって。

客の女に手を出して、そのうえ彼女と一緒に逃げ出した最低な店員がいる店だって言う噂を流されたら、店の評判は落ちてしまう。

あなたも彼女たちと同じ、世間体のことばかり気にしていた」

そう言った俺に、
「そ、それは…その…」

大輔さんは戸惑っていた。

「あなたたちは何にもわかっていなかった！

世間体のことばっかで、気にもかけてくれなかった！」

俺はそう言った後、
「静絵」

静絵の名前を呼ぶと、彼女を椅子から立ちあがらせた。

「もうこんなところ出て行こう。

彼らは反省もしていなければ、心配もしていなかったんだ」

「あ、朝貴さん…」

静絵さんは戸惑っている。