ラグタイム2号店

こみあがってきた怒りをぶつけるように、俺はテーブルをたたいた。

この場の視線が俺に集中したのがわかった。

「あなたたちは何もわかってない!」

俺はお母さんとおばあさんに向かって叫んだ。

「――朝貴さん…」

静絵が呟くように、俺の名前を呼んだ。

もう我慢ができなかった。

心配した、って言う一言すらもないのかよ。

ウソでもいいから、優しく声をかけてあげようと言う気持ちすらもないのかよ。

そんなにも病院の方が大事か?

実の娘よりも世間体の方が心配か?

寂しい思いをさせたことを謝ろうとすらも思わないのか?

今日まで反省すらもしていなかったのか?