ラグタイム2号店

翌日、ホテルをチェックアウトをすると真渕さんと一緒に『ラグタイム』へと向かった。

『ラグタイム』のドアには“臨時休業”と言う札がぶら下がっていた。

真渕さんはドアを開けると、
「大輔、連れてきたよ」

中に向かって声をかけた。

「朝貴…!」

大輔さんが店先に出てきた。

「――ただ今、戻りました…」

俺は呟くように謝った。

「事情は後で聞く。

早く店の中に入れ」

大輔さんに促されるように、俺と静絵は店の中に入った。

「じゃ、俺はこれで」

「ああ、ありがとな」

真渕さんは会釈をすると、その場から立ち去った。

どうやら彼は参加をしないようだ。

本当に俺たちを捜索して、ここへ連れてくるための役目だったようだ。