ラグタイム2号店

「さっき、何を願ってたの?」

そう聞いてきた静絵に、
「来年の七夕もこうして静絵と一緒に祭りに参加できますように…って、願った」

俺は答えた。

「静絵は何を願ったんだ?」

俺が願ったことを教えた以上、静絵も願い事を教えて欲しい。

そう思いながら静絵に尋ねたら、
「朝貴さんと一緒にいられますように…って、願った」

静絵は答えた。

「そうか、いいなあ」

俺は空を見あげた。

今日は絶好の七夕日和だ。

この満天の星空で、織り姫と彦星も年に1回のデートを楽しんでいることだろう。

「朝貴さん」

静絵が名前を呼んで、繋いでいる俺の手をギュッと握った。

それに答えるように、俺はその手を握り返した。