ラグタイム2号店

「静絵」

俺は静絵の名前を呼んだ。

「今日の祭りも一生忘れられない時間を過ごそうな」

そう言った俺に、
「うん」

静絵は首を縦に振ってうなずいた。

「はい、次の方どうぞー」

いつの間にか俺たちの番になっていた。

提灯の中にろうそくが入れられると、チャッカマンで火が灯された。

温かみのある灯りが提灯を照らした。

「行こうか」

「うん」

提灯に灯された灯りを消さないように注意しながら、俺たちは神社へと向かう行列に並んだ。

「キレイだな」

提灯の灯りを見つめていた静絵が呟いた。