「朝貴さん、遅いー」

部屋に戻ると、すでにふとんを敷いていた静絵がそのうえに座っていた。

「すまん、安藤さんと話をしていたから」

俺がそう答えてふとんのうえに腰を下ろしたら、
「月明祭のこと?」

静絵が聞いてきたので、俺は首を縦に振ってうなずいた。

「早いよね、もうそんな季節になっていたなんて」

そう言った静絵に、
「そうだな、2ヶ月があっと言う間だな」

俺は同意をした。

「月明祭、楽しみだね。

朝貴さんと一緒に参加できるなんて、ちょっと信じられないかも」

静絵はフフッと笑った。

「いい祭りにしような」

俺が言ったら、
「うん!」

静絵は嬉しそうに首を縦に振ってうなずいた。