「お待たせしました」

彼女の前にカルボナーラとマリネを置いた。

「えっ、あの…」

彼女は戸惑った様子でマリネを指差した。

「サービス、タダだからどうぞ」

そう言った俺に、
「じゃあ、お言葉に甘えます」

彼女は答えた。

「すみません、フォークとスプーンはどちらに?」

そう聞いてきた彼女に、
「えっ…ああ、ごめんごめん!」

俺はフォークとスプーンを取り出すと、カルボナーラの横に置いた。

チラリと彼女の顔に視線を向けると、
「プッ…!」

彼女は吹き出した。

あっ、笑った。