ラグタイム2号店

「わーっ、すごい!

朝貴さん、こっちきて!」

静絵がこっちへくるようにと手招きをしてきた。

「どんな写真なんだろ?」

俺と安藤さんは静絵のところへ歩み寄ると、喜多さんのカメラを覗き込んだ。

「おーっ、すげー!」

俺が声をあげたら、
「これ、うさぎか?

いや、きつねか?」

安藤さんはうんうんとうなっていた。

「今度さ、この雑誌の写真コンテストに応募してみようと思うんだ」

喜多さんがそう言って取り出したのは、『フィルム・ライフ』と言うカメラ関係の雑誌だった。

そこに掲載されていた記事を読んだら、
「へえ、最優秀賞に選ばれたら賞金50万円だって!」

夏代さんは驚いたと言うように言った。