待ち合わせ場所にすでに静絵がいた。

「静絵」

声をかけると、静絵はこちらの方に向いてくれた。

「朝貴さん、おはよう」

「おはよう、静絵」

周りに視線を向けると、ゴールデンウィーク真っただ中と言うこともあり、人がたくさんいた。

「早速だけど、どこへ行こうか?」

俺は聞いた。

「そのことについて考えたんだけど、1つだけ思い浮かんだ場所があったの」

静絵が言った。

「思い浮かんだ場所?」

俺は聞き返した。

「私が子供の頃に1度だけ家族旅行で行った場所があるの」