ラグタイム2号店

「しかし、妹と2人で旅行に行くなんて何だか色気がねーな」

大輔さんが呆れたと言うように言った。

「アハハ、そうですかね?」

うまく言えたことに、俺はホッと胸をなで下ろした。

「朝貴も25だろ?

まだ彼女できねーのかよ」

大輔さんが俺の顔を覗き込んできた。

「いやあ、しばらくはいいかなって…」

ハハハと、俺は乾いた声で笑った。

本当は早く伝えたかったけれど、先へ先へと延ばしてしまった末に言いそびれてしまったのだ。

結果、俺の彼女がいないと言う話は大輔さんのいじられネタになってしまった。

「その言い訳はもう聞き飽きたぞー」

コンと、大輔さんが俺の頭を小突いた。