「お腹空いてるんでしょ?

今日は俺しかいないから特別だよ」

そう言った俺に彼女ははにかんだように笑った後、
「じゃあ、お言葉に甘えて」

店内へと足を踏み入れた。

カウンター席の椅子を1つだけ引くと、
「どうぞ」

彼女をそこに座らせた。

「ありがとうございます」

彼女はお礼を言うと、椅子に腰を下ろした。

「何にする?」

俺は彼女にメニューを渡した。

彼女はメニューを受け取ると、それに目を通した。

「…カルボナーラ、でお願いします」

「かしこまりました」

彼女の前にレモン水を置くと、メニューを受け取った。