ラグタイム2号店

一緒に逃げようと約束をした翌日から、静絵と作戦を立てた。

決行日はいつにするか。

どこへ逃げるか。

着替えは何日分あればいいか。

お金のこと。

逃亡先での生活のこと。

いろいろなことを静絵と話しあった。

「決行日はゴールデンウィークにしよう」

そう言った俺に、
「どうしてなの?

もっと早くてもいいんじゃないの?」

静絵は驚いたと言うように聞き返した。

「ゴールデンウィークは旅行客や帰省客で人がたくさんくるだろう?

平日よりも休日の方がずっと有利だ。

たくさんの客に紛れ込んでしまえばわからないはずだ」

そう言った俺に、静絵は納得したと言うように首を縦に振ってうなずいた。