「じゃあ、失礼します…」

彼女は申し訳なさそうな顔をすると、その場から立ち去ろうとした。

その様子がかわいそうで、
「待って!」

俺は呼び止めた。

彼女が俺の方を見たことを確認すると、
「ちょっと待ってて」

俺は店内へと足を踏み入れた。

今日は俺が掃除当番なので店内には誰もいなかった。

誰もいないことを確認すると、俺はまた店先に顔を出した。

彼女はまだそこにいた。

「いいよ、入っても」

俺は手招きをすると、彼女に入るように促した。

「えっ、終わったんじゃないんですか…?」

彼女は不思議そうな顔で首を傾げた。