ラグタイム2号店

家に帰ってスマートフォンの確認をすると、着信が1件あることに気づいた。

双子の妹、夕貴からの着信だった。

時間は夜の11時半を過ぎていたけれど…あいつのことだ、まだ起きているかも知れない。

そう思いながら、俺は夕貴に電話をした。

「もしもし?」

案の定で夕貴がすぐに電話に出た。

「夕貴、俺だ」

そう言った俺に、
「兄貴、元気にしてる?

お盆休みに帰ってこなかったから、母さんが心配してたよ」

夕貴が言った。

「ああ、すまなかったな」

今年のお盆休みは実家へ帰っていなかったことを思い出した。

「店が忙しいのはわかるけどさ、たまには帰って父さんと母さんに顔を見せなよ」

「うん、わかってるよ」

夕貴の話に、俺は首を縦に振ってうなずいた。