ラグタイム2号店

泣き終えた静絵に、俺はティッシュとハンカチを差し出した。

「ありがとうございます」

ティッシュで洟をかんだ後、ハンカチで赤くなった目の下をぬぐいながら、静絵はお礼を言った。

「朝貴さん」

静絵が俺の名前を呼んだ。

「夏休みが終わっても、またこうして店が終わった後に会ってくれますか?」

そう聞いてきた静絵に、
「ああ、いいぜ。

だけど…たまには、明るい時間に静絵に会いたい」

そう答えた後、俺はハッと我に返った。

俺は今何を言ったんだ…!?

思わず静絵の顔を見ると、
「フフッ…」

静絵は笑っていた。