ラグタイム2号店

「静絵と単位は大丈夫だと知れないけど、親御さんはそうはいかないと思うよ。

今は夏休みだから多少帰りが遅くなっても構わないけど、学校が始まったらそうはいかないかも知れないよ」

「それに関しても心配はいりません」

静絵がまた俺の言葉をさえぎった。

「…実家で暮らしているんだよね?」

俺の聞き間違いじゃなければ、静絵はそう言ったはずだ。

1人暮らしではなく、実家で暮らしていると。

静絵は俺から目をそらすと、
「両親は、いないようなものなんです。

だから…私の帰りが遅くなろうが、朝になろうが関係ないんです」
と、呟くように言った。

「えっ…?」

俺は聞き返した。

それは一体、どう言う意味なのだろうか?