ラグタイム2号店

「あっ、ごめんなさい…」

自分の言葉に気づいたと言うように静絵は謝った。

「私…白石さんともっとおしゃべりがしたいなって思ったんです。

あっ、お近づきになりたいとかって言う意味ではありませんよ?

ただその…お友達になれたらいいなと言うか、白石さんのことをもっと知りたいと言うか、えーっと…」

だんだんと静絵の声が小さくなって行く。

どうやら、墓穴を掘ってしまったと思っているみたいだ。

友達になりたい、か…。

女性客が多いこの店だけど、彼女と友達になるのはいいかも知れない。

「いいよ」

俺の言葉に彼女は驚いた顔をした。

「ちょっと待ってて」

ズボンのポケットからメモ帳とボールペンを取り出すと、すぐに書き込んだ。