「さすがに俺も年齢だから、取っ組みあいはできない。

だけど、本音で話をしたいと思ってる。

何故なら…お前は、俺の“弟”だからな」

俺の目から涙がこぼれそうになって、それを隠すように俺は返事をする代わりに首を縦に振ってうなずいた。

バイト先で会って、仲良くなって、名前で呼びあうようになって…大輔さんが独立をすることになった時も、一緒について行ったくらいだ。

俺が大輔さんの“弟”なら、大輔さんは俺の“兄貴”だ。

兄貴のように、心の底から慕っている存在だ。

「時々でいいから、本音で話しあおう」

ポンと、大輔さんの手が俺の頭のうえに置かれた。

その大きな手に、
「はい」

俺は首を縦に振って、返事をした。