ラグタイム2号店

「同じ顔のヤツ――騙したヤツが俺の目の前にいるんだと思うと、腹が立つ!

もう2度と俺の前に現れないでくれ!」

「あっ、ちょっと…!」

武人は吐き捨てるように言った後、ホールから立ち去った。

夕貴はそんな彼を追いかけようとしたけれど、
「夕貴」

大輔さんが彼女を呼び止めた。

「今は1人にさせた方がいい」

そう言った大輔さんに、夕貴は今にも泣きそうな顔をした。

緊急事態だったとは言え、大輔さんに頼まれたとは言え、申し訳ないと心の底から思っているのだと言うことがわかった。

だけど、元はと言えば全て俺のせいだ。

「夕貴…」

俺は夕貴に歩み寄ると、
「本当に…本当に悪かった!

俺のせいでお前を巻き込んで…!」

土下座をした。