ラグタイム2号店

「あなたたちの言う通り、あたしは男じゃなくて女です。

性別を偽って、『ラグタイム』で働いていました。

あなたたちを騙して本当に申し訳ないと思っています」

俺たちに頭を下げたままの状態で夕貴は謝っていた。

性別を偽って働いていたって、俺のためにか?

俺の代理をするために、夕貴は男として働いていたってことなのか?

そう思っていたら、
「違う、こいつの言うことは全部間違ってる」

大輔さんが言った。

「夕貴、顔をあげろ。

全部俺がやったことなんだ。

お前が謝る必要はない」

大輔さんに言われた夕貴は頭をあげた。

「彼女に男として『ラグタイム』で働くように言ったのは、俺だ。

俺が朝貴の身代わりとして働いて欲しいと頼んだんだ。

夕貴を双子の弟だと言って性別を偽ったのは、トラブル防止のためだった。

そう言うことはないとわかっているけど、念のためとして」

大輔さんが俺たちに説明した。