必死にあたしは自分の腕を引っ張るが全く離してくれない。

何か用?と言って少し睨みながら聞けば、

全く悪気が無さそうに彼は答えた。








「いやぁ、七瀬と話してみたくってさー。」

「またの機会にしてもらえないかな。」

「いいじゃんー、ちょっとくらいさ。」








気味の悪い笑顔でそう答える彼は尚もあたしの腕を離そうとはしない。

この人…あたしが部活中って分かってて言ってるのかな…

と沸々と怒りが湧いてきた。







「オレさ、七瀬の事いいなーって思ってたんだよね。付き合わない?」

「付き合わない、だから離して。」

「うんって言ってくれたらいいよ?」







相も変わらずにやにやと気味の悪い笑顔を浮かべながら言う。