この大理石で出来た床のある部屋で快適に過ごせるように、と用意されていたモコモコスリッパを放り投げるように脱ぎ捨て、ヒールのついた黒いブーツに履き替えて準備終了。


 


カツカツカツカツ




部屋の中に反響するヒールの音に顔をしかめつつも、鉄格子の嵌まった窓へと近づく





「ま、歩かないからいいや。」





暫く鉄格子と鉄格子の間から見える朝方の空を見上げ、大きく息を吸う。