〜 李人 視点 〜
どうなってるんだ……?
どう見ても、いつものアキらしくない
ふわふわしているアキとは思えないほど
トゲトゲしている
反抗期か……?
地味なクラスメイトが、顔を真っ赤にさせながらアキに話しかけているのを見て
俺はすぐにアキを助けようとしたが……
アキは、男らしい言葉……いや、不良みたいな顔つきと声で男を怯ませていた
『お、おい……っ!
どうなってたんだよ、李人!!
アキちゃんが……っ
いつもの可愛らしいアキちゃんが……っ!
鬼のように…っ!』
『李人!お前、アキちゃんに何したんだ!!
ま、まさか……っ
可憐なアキちゃんを襲ったんじゃ……っ!』
『自分は違うとか言っておきながら……っ
やる事は、俺らと同じですか』
「お前らと一緒にすんじゃねぇよ」
なんだ……?
本当にアキのヤツ、どうしたんだ……?
「おっはよう〜♪
アーキちゃん……っ♡
…………って、あれ?
寝てる?」
『御堂………』
教室のドアから、ひょこっと顔を出し
ニコニコ笑って、アキの名前を呼んだ男は……
超がつくほど遊び人で…….
自分が気に入った相手なら、男だろうと手を出す危ないヤツ……
名前は、御堂 正樹
「あ〜、寝てるのか〜
どれどれ〜?可愛い寝顔は……っと…」
御堂は、寝ているアキに近づくと……
寝顔を見て、可愛い〜♡と顔をニヤニヤさせながら呟いていた
『や、やめろ……っ!!ゲス野郎!!』
『俺たちのアキちゃんを変な目で見るなー!!』
『お前には、たくさんの女たちがいるだろ!
アキちゃんに手を出すなー!!』
クラスの奴等は、御堂の身体を押して
アキを庇うように御堂の前に出た
御堂には、日替わりで女たちを変えるという噂があり
何人か御堂と知らない女が歩いているのを見かけた奴等がいた
御堂もその噂を否定せず
毎日違う女と遊んでいると言っていた
「変な目で見るな……って…
君たちの方が、アキちゃんを変な目で見てるんじゃないのー?
あれでしょ?
アキちゃんが下校したら…
アキちゃんの椅子を頬ずりしたり、汚いことに使ってんでしょう〜?
アキちゃん、前に言ってたけど……
体操服とかなくなるんだって〜
誰だろうね〜?
アキちゃんにそんな酷いことする奴等は〜?」
俺もアキから、体操服がなくなると何度も聞いた
まあ、コイツらだと思っていたが……
アキには、それを伝えず
伝えたら、ショックで寝込むかもしれないから……
俺がこっそり、アキの体操服盗んだ奴等から取り返して
アキに、教室に転がっていたと嘘をついて渡したんだけどな?
『お、俺たちが……
アキちゃんの体操服を盗んだとでもい、言うつもりか……っ』
『アキちゃんの体操服を盗んで…
匂いを嗅いだりした…っとでも言うつもりか!!』
『アキちゃんの体操服を盗んで……
匂いを嗅ぐ以上の厭らしいことに使ったとでも言うつもりか……っ!!』
お前ら……
アキの体操服盗んで、そんなことしてたのかよ……

