その日、あたしの通っていた中学校に行った
普通の高校1年生のひとなら、まだ一年もたってない頃だけど
あたしにとっちゃ、1年ぶり?
まぁ、あの頃は通信制の学校だったし…
あたしが最後に学校にかよったのは3年の
5月…廉とあおが居なくなる1ヶ月前…
もう、廉とあおと会わなくなって
1年が経った。
変わらないものはなんだろ。
中学校に侵入して、屋上に向かう。
階段を上ることさえ辛くなったのは、
司がいなくなった後だ。
司はずっと苦しんでたんだ。
屋上でいじめられた、屋上に閉じ込められた、屋上から突き落とされそうになった、
司にとって屋上からの景色は
きっと最悪だっただろう。
なのに、司は、司は…
司「なあちゃん、お、俺ここからの景色
す、好きだよ。」
声が震えていたのに気付いていた。
司の横顔は今にも消えそうで
何も言えなかった。怖くて、目を逸らした
無理して、突然“僕”から“俺”に呼び方を変えた。
そんな司に異変を感じたはずなんだ。
なんで、聞かなかったんだろう。
屋上のドアは怖くて、開けられなくて、
恐る恐る開けた。
─────
オレンジ色の焼けるような空を
きれいだと思った。
これは司が呼んでくれたんだ。
あたしを、ここに。

