嫌なのに…

「ん、じゃあ次喉診るからあーんして?」

「…あーん」


また控えめに小さく開ける。


お構い無しに舌圧子で大きく開けさせる翔太。


「ん、ゴホッゲホッ」


「よし、終わりっ!

ごめんね、苦しかった?

大丈夫そうだから行こっか!」


「やった!」



翔太の車で家まで連れて行ってもらった咲は

「じゃあちょっと待ってて!とってくる!」

とだけ言い走り出した。


「あ、ちょ、咲ちゃん!

走っちゃダメ!」



翔太の心配していたことが起こった。



「ゲホゲホゲホゲホッ」


(やばっ、やっちゃったかも…)


「咲ちゃんっ!ゆっくり深呼吸だよ!

咲ちゃんのタイミングでこれ吸ってね!」


そう言い、吸入器を口元に持っていく。


うまくいったようで、なんとか治った。



「落ち着いたね。
だから走っちゃダメって言ったんじゃん。」


「…ごめんなさい…」


「ん、じゃあ一緒に取りに行くよ」


そう言って手を差し出す。


「うん」