「眞紘くん、このジュース好きだったでしょ?ちょうどあって良かったぁ…。」


「サンキュ、花奏。それじゃあ、俺はアパートに戻るよ。また後で…。」


「うん…。」


微笑む花奏に手を振って、その場から離れた俺。


リンゴジュースの缶を見ながら笑みが零れた。


花奏、俺が…このジュースを気に入ってたこと、覚えてくれてたのか…。


気まずい雰囲気で花奏とサヨナラをして3年。


そんなこと、とっくに忘れ去られてるもんだと思ってた。


ヤバい、結構嬉しい…。


弾む心に足取りが軽くなるのを感じた。


直ぐってわけにはいかないだろうけど、花奏の意識を変えられるように頑張らないとな。


幼なじみじゃなくて、一人の男として見てもらえるように…。


そして…


好きになってもらえるように…。