そもそも、俺から“言ってみ?”とか聞いたわけだし…。


止むを得ないか…。


「あれは、その…“他の男の隣に並んで欲しくねぇから”って、言ったんだよ。」


「えっ…」


「せ、世間には色んな男が居て、良いヤツばかりじゃないし。俺の傍だったら、まあ…安全だろ。とにかく、あまり他人を気安く信用すんなよ…っていう警告的な意味合いというか……」


何言ってんだ、俺。


そんな必死に説明したら、逆に不自然じゃねぇかよ。


恥ずかしくてクシャクシャと頭を掻く。


どんな反応をしてるのか気になって花奏を見ると、少し戸惑った表情が目に映った。


「あっ、悪い…。変なこと、グチグチ言ったりして…。」


「ううん、そんなことないよ…。私のこと心配してくれたんでしょ?眞紘くんみたいな優しい幼なじみが居てくれて、私は…幸せ者だね。」


柔らかく微笑んだ花奏。


胸が熱くなる。


“お前を幼なじみだなんて、俺は…思ってねぇよ。”


“他の男に嫉妬するぐらい、お前が好きなんだから。”


気を緩めたら、そう口にしてしまいそうだった。