「いっ、今の……」


口をパクパクさせて驚く私を見ながら、眞紘くんは少し照れくさそうに頬を赤く染めている。


「可愛いこと言った花奏のせいだからな?」


「人、いっぱい居るのに……」


「一瞬だったから、誰も見てねぇよ。それより、買い物の続きを早く済ませようぜ?夕食の準備もあることだし。」


「う、うん…」


絶対に見てた人は居ると思うけどな…。


キョロキョロと周りを見回した後、熱い唇に触れた。


前にデートした時も、待ち合わせしてた場所でキスされたんだっけ。


しかも、今回よりも人がいっぱいいるところで。


今朝だって、家の前でキスされたし…。


大胆過ぎるよ、眞紘くん…。


「キス、足りない?もう一度する?」


「いっ…一回で充分だよ!」


いたずらっぽく笑う眞紘くんに、慌てて首を横に振った。


今から、こんなにドキドキしちゃって大丈夫かな…。


心臓が耐えられるかどうか不安だよ…。