「ありがとう、眞紘くん…。」


いや、ここで弱気になってどうすんだよ。


暴走しないように、ひたすら頑張るしかねぇだろ。


キスより先のことは、花奏のペースにちゃんと合わせていきたい。


ゆっくりでいいから。


焦って戸惑わせたくない。


「どうしたの?あまりジッと見つめられてると恥ずかしいよ…。」


「ちょっと考え事してただけ。」


頬を赤く染める花奏。


その可愛さに胸が高鳴るのを感じながら、笑みを零した。


多分、誕生日当日も無自覚な煽りや誘いがあるだろうけど、とにかく我慢。


押し倒したくなる衝動にかられそうになっても、しっかり抑えなければ。


大丈夫、頑張れる…。


力強く頷く。


そんな俺の姿を見つめた花奏は、不思議そうに首を傾げていた。